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2020年03月27日
かわしま屋
野口晴哉 体癖とは
学問が捉える人間は、普遍的、一般的人間でしかない。
だが現実の人間は一人一人皆異なり、誰一人同じ人間はいない。
まさに「万人は皆個人」である。長年の整体指導を通じて、
一人一人の人間に接してきた著者はこのことを痛切に感じてきた。
人間は「同一の刺戟に対して同一の反応をするとは限らない」として、
刺激−反応の間に介在する感受性の問題に注目した。
同じ言葉が或る人を怒らせ、或る人を笑わせるといったように、感受性の状況が反応を左右する。
更に著者は、個人の感受性に固有のクセがあると指摘し、
個人に繰り返されやすい生理的、心理的傾向、即ち体質や性格も、
感受性のクセが齎らす現象として捉える。そしてこれらの現象を仔細に検討し、
12種5類の体癖分類を体系化した。
本書によって、読者は自分とその隣人が、かくも異なった世界に住んでいるということに気づくであろう。
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野口晴哉とは
野口晴哉(1911ー1976)
明治四十四年九月、九人兄弟の次男として東京・上野に生まれる。
幼い頃に患ったジフテリアの影響から言葉を話すのに不自由し、
幼少期を過ごした漢方医の叔父の許では、さまざまな読書に明け暮れたという。
大正十二年、十二歳の時に関東大震災を体験し、焼け野原で苦しむ人たちが悼まれず、
本能的に手をかざしたところ多くの人たちが快復、これをきっかけに治療家としての道を志す。
古今東西の健康法や療術などを独自に探求し、十五歳で入谷に道場を開き、
愉気と活元運動を主体とした療術団体『自然健康保持会』を設立。
また、十七歳で「健康に生くることが自然順応の姿である」などとする『全生訓』を発表し、
以後、一貫して「活き活きと生を全うする」ことを指針に据えた活動に入る。
日本治療師会の評議員を務め、大日本連合治療師会の創設にも寄与。
そして治療理念の確立、諸療術の体系化を図る「整体操法」をまとめ上げ、
昭和二十二年には整体操法の指導者育成機関として『整体操法協会』を設立。
昭和二十年代後半には身体を通した人間の個性研究とも言える「体癖論」の基礎を完成させた。
この頃から、病を治すことよりも人間本来の力を引き出して健康に導く自らの活動を「体育」と位置づけ、
「治療」を捨てることを決意。
何かに頼ることなく 自らの足で立つことを指導理念に掲げ、昭和三十一年、
そうした健康観に基づく体育団体『社団法人整体協会』を文部科学省(旧文部省)の認可を受けて設立。
個人指導のほか活元運動の普及、愉気法などさまざまな整体法の講習会を全国各地で開き、
心と体を一として考える独自の人間研究においても体癖をはじめ潜在意識の研究、
子育て、教育などの分野にも踏み込み、多くの著作を残した。
カザルスを唯一の師と仰ぐほど音楽を愛し、妻昭子(一九一六〜二〇〇四)との間には四人の子息をもうけ、
昭和五十一年六月、東京・狛江の自宅にて家族に見守られ六十四歳で永眠。












